とある歴クラ見習い審神者の備忘録

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徳川美術館「名刀紀行」「あかがね/くろがね」内覧会速報

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刀剣乱舞コラボを開催する徳川美術館「名刀紀行」「あかがね/くろがね」展の内覧会にいってきましたので速報!
なお、コラボは明日からなので、今の時点でコラボ要素はありません。
あくまで展示についての速報情報ということで。

今回の展示の公式ページはこちら四つをご覧ください。
名刀紀行
あかがね/くろがね
プレスリリース
刀剣乱舞コラボ情報

私も、初めて徳美にくる方にむけた案内記事をつくってます。
waterseed.hatenablog.com

これを書いている人間は身長155cm、ぺたんこの靴を履いています。

まずは、特別展の前の名品コレクション(常設エリア)のお話から。
(以下、長義以外は6/20までの展示内容です)
第一室の武具コーナーにある刀剣は、変わらず見事というか、この間見に行ったときより見やすくなっていました。

光忠は、自然に立った状態だと肌だけしか見えませんが、手すりまで目の高さを下げると、映りと刃文がよく見えます。
長義は、立った状態でよく見えます。なんなら後ろからでもよく見えます。きっさき部は、刃のあたりまで目の高さを下げるとぎりぎり見えるポイントがあります。
虎徹も普通に立った状態でよく見えます。
志津は、概ね普通に立った状態で見えるんですが、多少角度が違うほうがはっきり見えたかも。
こしらえを分解して展示するケース内の刀(直綱)も、今回ははっきりくっきり刃が見える状態でした。

第四展示室は能の道具が飾られています。
入って右手のケースが、今は小鍛治セットになっています。
せっかくですのでスルーせずチェックしていってください。


「あかがね/くろがね」では、身近すぎて意識に上りにくい「銅」と「鉄」という素材に着目した展示構成。
前提知識がない状態で見に行っても、キャプションを読んで「へー」っとなる感じの面白い内容です。

フルカラーパンフレットが用意されていたんですが…もうちょっとお値段あげてもいいと思うのよ?
鐔の黒の凹凸が綺麗に出るって、相応にいい印刷でしょう…?いくら同人とはロット数が違うとはいえ……

見て面白いと思ったのは、鏡です。
鏡の一つが、背面ではなく鏡面を表にして展示されているのですが、ちょうと壁に貼ったキャプションが綺麗に映って見えるんです。
文字も色もはっきり見えるんです。
昔の鏡の性能を体感することってなかなかないので、面白いなと。

代わりだねの品だと、ステンレス刀が出ています。
刀剣としての見所があるかというと首をかしげるのですが、珍品として見ておくのをおすすめしたいです。

並んでいる刀装具にはこまかな細工がかわいいものもあるので、持っている方はぜひ単眼鏡をお忘れなく。

最後の部屋には、しんけんのほうに実装されている永則の大太刀もあります。
物打ちあたりは、刃が見えるところもありました。


そして本館展示室の名刀紀行。
入ってすぐ正面に後藤藤四郎、その右側に鯰尾藤四郎です。
背面までぐるりと見える単独ケース入りです。
ただし、ライティングは、刃より肌という感じ。
移動可能なケースに入ったものは、基本同様です。

壁の固定ケースに入ったものは、がんばれば刃が見えるかなと思います。
刃が上を向いたものは刃と同じくらいの高さから、下を向いたものはそれよりも低い位置でさぐると、刃が見える高さがありました。
展示番号を具体的にあげると、2 4 5 6 14 15 16 17 25 27 28 29 30 31 32 34 35 36 37 43 44 45 46 がそんな感じ。

見やすかったのは、小部屋に入ってから機内の刀工」くくりで展示されていた39番の資正作、40の助広、41番の包保です。


大きな部屋の真ん中あたり、右手の壁に長い刀があるんですが、そちらは二十何年ぶりの展示とのことでした。
(作品名をメモしそこねましたが、光友公が居合をされたというエピソード付きのものです)

あと、見やすい状態ではないんですが、21番の慶長十六年二月日の国広刀もレア品かと思います。
堀川国広とその一門」巻末の国広作刀リストに載ってないんですよ、これ。

全体に、見やすいとは言えない(蓬左や本館は基本そんな感じ)ですが、なかなか面白いものはあると思います。

あと、本館展示室の前に、刀剣基本知識のパネルがあるんですけど、「刀を差す」「太刀を佩く」図の両方を、徳美所蔵品の絵からとってるのはさすが…
(太刀を佩くほうはいわゆるしかみ像、刀を差すほうは、本田平八郎姿絵屏風でした)