とある歴クラ見習い審神者の備忘録

調べたこと・面白かったものと、自分が調べるときにあったら便利だったなと思うまとめを置いておく場所

京のかたな二回目(末兼先生講演:新刀)

一回目の記事はこちら
京都国立博物館「京のかたな」 - とある歴クラ見習い審神者の備忘録

差分なのでかるーく行きたいとおもいます。

二回目の訪問は27日
今回は、末兼先生の、新刀についての講演を聞きに行きました。
あと、前回はあまりの列の長さにあきらめたコラボ展示ガイドを聞きたくて。

内容の素敵さ加減は他の方がたくさんつぶやいているのでそちらにまかせて…
本題とはずれるんですが、ガイド聞いて、刀工の読みを意図的に音訓変える意義がよくわかりました。
村正のところで平安城長吉の話が出て、その直後に本作長義以下略の話が出て…どっちも「ながよし」読みするのまぎらわしいんじゃー。
というか、さらっと知識が混乱する人が出そうだなと。

講演は、国広の話題になりまして…
わかっていることが少ない&郷土資料系の精査がされていない、というような話になって、うんうんっってめっちゃうなづいてました。
自分、刀工 堀川国広についての史料・論考リスト - とある歴クラ見習い審神者の備忘録なんてリスト作ってますけど、実際論考を追っていくと、「事実と考えてよさそうなこと」って銘文由来の分だけに落ち着くというか…
福永酔剣氏とか、『日向の刀と鐔』などで郷土資料解釈に力を入れた国広考を書かれていますが、この方、現代の感覚で見ると史料批判が足りてない傾向にあるので、事実と呼ぶには裏どりが必要と思われる状態で…。
(幸い出典とかは書いてくださっているので、「このような記述のある文献がある」ということを知る資料としてはとてもよいものだと思います。ただし事実として扱うなら要再検証。)

あとは、山伏時作(以下切)の刀について、図録に掲載されている梵字から所属集団の宗教感を読み解く、という話をもっと詳しく解説してくださいました。
結論部分は図録と同じで、天台宗なら表の梵字が示すもの(真言宗系)とも、「山伏」の言葉とも矛盾しないよ(でも山伏が示す内容については再検討が必要だよ)という内容だったんですが、天台宗と聞いてちょっと「おおっ」となったのです。
先に書いた福永氏の著書『日向の刀と鐔』内に、古屋付近であるということから山伏修行の候補先として上げられてた法華山が、まさに天台宗系で。(ただし、伊東崩れ後=作品が作られた頃には島津によって改宗させられたために作刀時の修行先としては考えられないらしい:最近の郷土研究での裏どり未なので「らしい」表記ですが)
銘文の居住地から近い寺院の元々の宗派と、作品からうかがえる宗教感が一致したとなると、これはありえるのかなーという気にちょっとなってきて楽しいなって。
(これは素人による勝手な感想です)

ということで、なかなか楽しい時間を過ごすことができました。
いじょ。

記事一覧 - とある歴クラ見習い審神者の備忘録